このページではタイヤの”皮むき”の重要性について説明します。
聞いたことがある人とそうじゃない人いるかもしれませんね!その理由は「慣らし運転」と言われる場合もあるからです。
へ?「皮むき」と「慣らし運転」って別の意味なの?
言う人によるね!
皮むきを指して言っている人もいれば、別だと理解していて両方を踏まえて「慣らし運転」って言っている人もいるよ!
意味が違うならちょっと自信ないな…という人もいるでしょう。
なので、タイヤの”皮むき”をメインに”慣らし運転”もプラスアルファで説明していきますよ!
この記事がおすすめな人
- 「タイヤの皮むき?」「タイヤの慣らし運転?」なにそれw
- 皮むきと慣らし運転って意味違うの!?
- 意味は知っているけど良い方法を知りたい
こんな人に向けて詳しく説明していきます!
最初に補足として、プラスアルファで紹介する「慣らし運転」とは”タイヤの”慣らし運転です。
新車購入時の慣らし運転とは少し違うニュアンスなので、勘違いしないようにしましょう。
勘違いしないように説明していくのでよく読んでもらえると幸いです!
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バイクのタイヤの皮むきって何?必要な理由と方法、プラスα紹介!
まず最初にタイヤの皮むきを”丁寧に”したくなる、良い事を紹介しておきます。
皮むきを丁寧にする事で以下の良い事がライダーにあるよ!
- タイヤ本来のグリップ力を味わえる(タイヤモデルによる違いはある)
- 皮むきしない、雑な皮むきよりも長持ちする
こんな良い事があります!
タイヤの皮むきと聞くと「最初はタイヤが滑りやすいから」という理由で皮むきをするというライダーは多いです。
でもそれだけだともったいない!
その他にもメリットがある事をしっかりと理解して是非丁寧に皮むきをして欲しいんです!そんな思いで伝えていきます。
このページを読んでもらえば作業的に「やらなくちゃいけないから」という考えで行っている皮むきを上質なものにしたい気持ちになるはずです。(そうなって欲しい…)
では本題へ!
タイヤの皮ってそもそも何?
タイヤの皮むきをするというのは「新品タイヤに変えた」「新品タイヤを履いている新車」に向けた言葉です。
つまり新品タイヤについているのが、タイヤの”皮”と言う事。
ただ、この皮が何者か?何でむかなきゃならないのか?と言うのを知らないと
「なんとなくやる…」
「めんどくせぇけどやる…」
「うわぁ…速く走りたいのに!もっと簡単に出来る方法無いの!?」
と、どんどんと皮むきを楽に行えるような方法を探し始めてあまり良くない方法で皮むきしてしまう人が出てきてしまいます。
だからちゃんと知っておきましょう!
まずタイヤの皮と言うのは2つの話が存在します。
- タイヤの保護剤
- タイヤ製造工程で必要な薬剤
タイヤの皮は②の「タイヤ製造工程で必要な薬剤」です。
ダンロップさんのサイトにも載っているのですが…
新品タイヤの表面には、製造工程で型抜きをしやすくするために離型剤(りけいざい)などの薬品が塗られています。
皮むきとはその薬品を落とす作業を指します。
引用元:ダンロップサイト
タイヤメーカーさんが言っているのだから間違いないでしょう。(※販売店が保護剤を塗っている場合もあります)
この薬剤がタイヤ表面に残った形で販売されているので、新品タイヤはとても滑りやすくなっており、皮をむかない事にはグリップが効きづらく危険なんですね。
つまり、製造工程で付けられた薬剤を削り落とす行為がタイヤの皮むきと言われているわけです。
バイク屋さんやタイヤ屋さんでは「最初は滑りやすいから皮むきをお願いします」と言えばライダーの多くは”?”を浮かべながらもやってくれるので、詳しく説明する必要が無いんですよねw
これで新品タイヤが滑りやすい理由と、皮とは何かがわかったね!
皮が何かわかったけど、皮むきってどんな風にどれくらいすれば良いの?
タイヤの皮むきってどうするの?気を付ける事は?
「タイヤの皮とは」がわかった所で、次はタイヤの皮むきの方法を説明します。
タイヤの皮むきは”走行していれば終わる”ので、方法とは言いましたが「どれくらいする?」「やっちゃいけない事」「コツ」「100km走行後」をベースに説明します。
この4つを知っておけば安全にタイヤの皮むきを行う事が出来ます。
タイヤの皮むきはどれくらいするのか?
タイヤの皮むきは”100km”程度行えば完了と言っても良いです。
しかし、この100kmと言うのはあくまで目安であり完全に大丈夫はどうかはあなたが乗っている内に確信する以外に方法はありません。
極端な例を挙げて説明すると「100kmをずっと直進して皮むきが完璧だと言えますか?」という事。
完璧なんて言えませんよねw
極端な例でしたが、バイクのタイヤには当然バンク(寝かせる)走行をしなければ接地しない面があります。
しかし、お店の人やアドバイスをする人は100km走行するあなたをずっと見ているなんて無理です。なので”100km”という目安を伝えるしかありません。
ただ、道路を普通に100kmも走行していれば直進はもちろん適度にバンクする道も走るという見解をもとに100kmと伝えられています。
なので「直進ばっかり走っている気がする…無理にでもバンクしなきゃ!」なんて考える必要はありません。
この100kmという走行距離はブリジストンという有名タイヤメーカーでも推奨されている距離なので、まず間違い無いと思って良いです。
気にするところは他にあります。
皮むきでやっちゃいけない事!
「直進ばっかだ…バンクしなきゃ!」と無理に気を付ける必要は無いと言いましたが、皮むき時には気を付けるべき事はあります。
- ”急”なライディングをしない(急発進、急加速、急ブレーキ、急ハンドルなど)
- ラフな運転をしない
- スピードを出し過ぎない
上記3点が皮むきで気を付けるべき事です。
皮むきの最中で上記の事を行うと、最悪の場合「事故(転倒など)」を起こします。
最悪の場合で無くても「偏摩耗のもと」になったり「事故を起こさなくても危険な状況」になる場合があります。
タイヤの皮むきは”全力で楽しむ為の準備期間”であり”儀式”のようなものです。軽く見ているとしっぺ返しが来ますよ!
皮むきのコツ
皮むきを上手に行うコツとしては…
- 法廷速度で普通に走行(高速道路は控える)
- カーブでは速度を落としてそこそこのバンク角で曲がる
- 安全な車間距離など
気づいた方も多いと思いますが「安全運転」をしていれば良いのです。
特に”バイクにまだ慣れていない”人や”皮むき期間が怖い”と感じる人は普通に安全運転をしていれば不安はありませんよ!と伝えたいです。
安全運転は基本的に1つ前の項目の「やっちゃいけないシリーズ」を自然とやらない運転なのでおすすめです。
もちろんバイク歴も長く、バイクを何台も乗ってきた人やタイヤをたくさん履きつぶしてきた人は早く上手にタイヤ接地面をバランスよく使う事ですぐに皮むきを終わる人もいます。
でも慣れない人、怖い人、自信の無い人は安全運転をして”100km”を走行してからタイヤを確認しましょう。
100km以上走行したらタイヤを確認すると良い
100km以上走行した時点で「よし完了!」とするのはちょっと危なかったりします。
慣れている人であれば心配無いですが、そうで無い人は必ずタイヤをチェックしましょう。
一番良い方法としてまず「新品タイヤに変えたら、よく見て、よく触る」事をしておく事をおすすめします。
これをしておく事で確認作業での安心感が違います。
ただ「忘れてた…どうしよう」という人もいると思います。この場合はお店に新品タイヤを見に行っても良いです。
が、新品タイヤと皮むき完了タイヤは結構違うので見ていなくても判断はつくと思います。
皮むきが終わっているかどうかは見れば分かります。が、不安な人は手で触る事もおすすめ!
参考画像が皮むきをしたタイヤになります。
黄色の部分が皮むきした面、赤い部分が皮がまだある部分です。画像を見て分かるように、見るだけでも色の違いや質感が変わっています。
見るだけだと不安であれば触って見るのも良いですね!新品のツルツルな表面からザラリと触った感じが変わっています。
基本的に皮がむけやすいのはタイヤ中心部。
中心から横に行けば行くほど皮がむけにくいです。それだけバンクしないと接地しないからですね。
もし確認で中心以外がいまいち…となった場合は少しずつグリップ力を確認しながらバンク角を付けていくと良いですよ!
ここまでがバイクの皮むきの方法でした。
いかがでしたか?「The・方法」を説明したわけではありませんが、皮むきの方法をしっかりとイメージ出来たと思います。
安全にしっかりと丁寧に皮むきをしていきましょう!
丁寧な皮むきはライダーに返ってきます
丁寧な皮むきは誰でも無い”あなた”にメリットがあります。
文頭でも言いましたが下記のようなメリットがあなたに返ってきます
- タイヤ本来のグリップが味わえる
- 雑な皮むきよりもタイヤが長持ちする
「タイヤのグリップを出す為」と言うのはよく知られていますが、長持ちするというのを知っている人は多くいません。
まず、タイヤが新品のツルツルテカテカ状態では滑りやすいというのはほぼ全てのライダーが知っているくらいの事実ですね!
納車直後に転倒!?なんて動画もyoutubeにあるくらいだしねw
なのでライダー達は「安全の為」「十分に楽しむため」と皮むきをします。しかし、丁寧に皮むきを行うメリットはこれだけではありません。
実は新品タイヤと言うのはグリップの良い部分とそうじゃない部分が点在しています。
その為、「急加速や急ブレーキ」「ドリフト」などのタイヤに負荷がかかる行為を皮むきが必要な時期に行うとグリップしづらい部分だけ先に減ります。
これは後々”偏摩耗”の原因へと繋がります。
偏摩耗とは…タイヤの「一部分」だけ「片側」だけ減りが早かったりという、バランスの悪いタイヤの減り方の事を言います。
偏摩耗を起こすと、バランスよく減っているタイヤと比べてタイヤの交換時期も早くなります。
更に言うと偏摩耗を起こしている時点で「乗り味が悪い」「ハンドリングに違和感」があるといったマイナス面が出てくるので良い事は1つもありません。
バランスよく摩耗させるには”皮むきが必要な時期”からタイヤのケアを丁寧に行う必要があるんですね!
と言う事で雑に皮むきされたタイヤよりも丁寧に皮むきされたタイヤの方が長持ちするんです。
他にもあるのですが、残りはプラスアルファの「タイヤの慣らし運転」で説明します。
クレンザーで皮むきなんて話があるけど…
クレンザーで皮むきをするなんで話がありますが…おすすめしません!
クレンザーの中に入っているスクラブ(研磨剤)で皮むきが出来るし楽。
という話がありますが、油分を持っていってしまうのでタイヤが傷みやすくなる可能性が高いです。
油分が無くなって傷み出すとクラック(ひび割れ)を起こしやすくなり、ひび割れを起こした箇所が悪ければ即タイヤ交換なんて事もありえますよ?
ヤスリで削るなんて話もありますが…
こちらもやはりおすすめしません!
効果のほどは正直言って分かりませんが、素人が頑張って表面を削ったところで「効果が出るまで出来ない」か「変に負荷をかけて偏摩耗の原因」なんていう未来が想像できます。
あまり横着(おうちゃく)な事はしない方が良いかと。
整備士をやっていた時のお客さんの傾向としてはバイク初心者やかなり上級者の方は上手に皮をむいてきていました。
「初心者は不安な気持ちがある」「上級者は皮むきすら上級者」の為でしょう。
その代わりにそこまでバイク歴が長いわけでも無いのに自信たっぷりの若者が交換直後に事故や転倒をしていましたね…
タイヤの皮むきを軽視しているとそうなっちゃうようですよ?
タイヤの慣らし運転とは?
タイヤの慣らし運転とは「新品タイヤに交換した直後のケア」の話であり”タイヤの皮むき”と似た部分があります。
基本的にやる事は同じです。
過度な負荷をかけずに安全運転をしていれば慣らしは完了します。
なのでタイヤの皮むきを行っていれば自然と出来てしまっているものでもあるんですね!と言う事でプラスアルファ要素として説明する事にしましたw
タイヤの慣らし運転は下記を達成する為の行いです。
- タイヤとホイールを馴染ませる
- タイヤの成長を見守る
- 新品タイヤや違うタイヤに交換した時の挙動に慣れる
これらを達成する為の”儀式”です。
3つ目の「挙動に慣れる」はタイヤのケアではありませんが、慣らし運転を行っていくうちにライダーが感じる良い副産物みたいなものなので書きました。
では詳しく説明していきます。
タイヤとホイールを馴染ませる
タイヤ交換時にはタイヤをホイールから脱着しやすくする為に”クリーム”を塗ります。
作業がしやすくなればホイールへの傷つきの可能性を減らす事が出来ますし、タイヤへの負荷低減にも繋がります。
タイヤ交換をするお店は必ずこのクリームを塗ります。
ただ、このクリームは滑りを良くする為のクリームなので交換直後ではホイールとタイヤがズレやすい状態になってしまうのが唯一のデメリットでもあります。
ちょっとズレるだけなら空気が抜けなきゃいいんじゃないの?
と思うかもしれませんが、空気が抜けなければ良いだけでは無いんですね。
ホイールとタイヤには必ずと「軽い所」と「重い所」が存在します。
基本的にはホイールの重い所とホイールの軽い所を合わせてタイヤを組んでいるお店がほとんどです。バランスを取る為ですね!
滑りやすいタイヤ交換直後だとせっかく取ったバランスが崩れてしまいます。
それを防いでしっかりとホイールとタイヤを馴染ませてあげる為に慣らし運転が必要なんですね!
【バランスの取り方】
タイヤバランスの取り方として広く知られているのは「ホイールのエアバルブの所」と「タイヤの軽点」で合わせるという話。
お店の大半はこれで合わせますが、その後しっかりとタイヤバランサーを使用しズレていれば再度バランスとりをしています。
その為、単純にその2つを組み合わせている”だけ”のお店は少ないと思って良いでしょう。
ミシュランタイヤなんかは軽点が無かったんじゃないかな?十分なバランスと真円性を持っているとかなんかで。
軽点が無いタイヤも存在しているので、エアバルブと軽点だけを参考にしているお店は無いと思います。
もし心配であればタイヤ交換依頼時に聞いてみると良いですね!
タイヤの成長を見守る
「タイヤが成長する!?」知らない人って結構多いですね。
タイヤを交換し、はじめて空気を入れるとタイヤ全体がストレッチされてタイヤの構造部材が少し膨張します。
その結果タイヤ交換から約1か月程度で空気圧が少し減るんですよね。
これがタイヤの成長と言われます。(専門的に言うと寸度成長)
この成長期間中は発熱もしやすくなっており、過度な負荷をかける走行などを行ってしまうと偏摩耗などの良くない状態の原因にもなりかねないのです。
タイヤの挙動に慣れる
たくさんのタイヤを履きつぶしてきたライダーも、あまりバイクに慣れていないライダーも新しい違ったタイヤに交換した場合違和感などを感じる事が少なくありません。
同じタイヤメーカー内でもモデルによって「乗り味」「グリップ力」「硬さ」などが違っている為、モデルが違えばタイヤの出す味ももちろん違うんですね!
今までバイクに履かせていたタイヤであれば慣れ親しんでいて、あなたはそのタイヤがバイクの一部だと感じいます。
が、違うモデルのタイヤになると感覚が違って違和感を覚えます。
この違和感に慣れる為にもタイヤの慣らし運転はした方が良いですね!
ワインディングが好きならバンク時の切れ込み方などがモデルによっては違ったりするので、しっかり慣れておく事で事故やミスを防ぐことが出来ます。
ただ「タイヤとホイールを馴染ませる」「成長を見守る」ついでに慣れれてしまう事でもあるのでそこまで意識する必要は無いでしょう!
「うぉっ、こんな感じなんだ!」程度に楽しめていたらOKかと。
まとめ
このページでは「タイヤの皮むき」と「タイヤの慣らし運転」について説明してきました!
この2つの”儀式”はどちらも新品タイヤでやる事なので、これだけの説明になりましたが同時に行う事が出来ます。
正直どちらもただ走っていれば達成出来てしまうのですが、やはりやるからには上質であればあるほど良いですね!その分自分に返ってくる恩恵も大きいです。
その為、難しい事では無いと軽く見るのではなく「小さなことからコツコツと」質を高めていってあなた自身のライダー経験値を積んでいくイメージでやってみて下さい!
かなり丁寧に説明出来たとは思いますが、疑問点などあれば”お問い合わせ”や”ツイッター”までお願いいたしますm(__)m
ではでは、現場からは以上です!
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