このページではヘルメットの”安全規格”に関する説明をしていきます。
ヘルメットの安全規格を気にして製品を選んでいる人はまずいないかと思いますが、バイク乗りである以上絶対に必要なヘルメットの安全規格を知ってた方が良い、いや知っているべきかと思います。
日本国内で言えば「SHOEI」「Arai」「OGKカブト」などの有名メーカーから購入していればまず間違い無いので、いちいち安全規格マークの確認を行っている人はいないでしょうが…豆知識程度にでも覚えていってくださいね!
- 豆知識としてヘルメットについて知っておきたい
- 安全性の高いヘルメットを選べるようになりたい
- バイク乗りとしてバイク関係の知識が欲しい
こんな人におすすめです!
安全規格マークってどんなものが貼ってあれば良いかなんて事は大体の人が知っていますが、それがどこの国でどのようにして採用されているってどれだけの人が知っているでしょうね?
「貼ってあれば良い!」まさにその通りなんですが、もう少し詳しく知っていきましょうよw
誰でも無い”あなた”の為に必要な安全基準になるのですから、知っていて損はまずありませんよ!
バイクのヘルメット選びで知っておきたい9つの安全規格マーク!
上記のマークがヘルメットの安全規格表示として使用されるマークです。
え、なにこれこんなにあるの!?
見た事ないのもあるって予想していたけど、結構あるもんだね…
あなたはいくつのマークを知っていますか?多分1個や2個程度じゃないですか?
実はあなたが知らないだけで、色々な国から各基準を設けた安全規格が存在しそれぞれに厳しい審査のもと、製品をチェックしているんですよね!
JIS規格
日本の安全規格であるJISマークは「Japanese Industrial Standards」の略称であり、日本語で言うなれば「日本工業規格」と言います。
新JISマークへは2008年以降の製品に適用される形で採用されています。
JISマークはあくまで製品の安全性を認める任意の制度であり、このマークがついていなくても日本での販売は可能となります。
ヘルメット利用側としても”あれば安全性確認をよくしている”程度に思っておけば良いでしょう。でも、やっぱりあった方が安心度は高いですよね!
JISマークの中でも区分が存在し、125cc以下のバイク乗車を想定したJIS1種と無制限のJIS2種とがあります。
が、JIS1種表記だからと言って126cc以上のバイクに使えないわけではありません。あくまで任意の安全性制度なので…
ただやはりそれなりの事を想定して検査を行っているのに適合している方が安心度は高いのは間違い無いですね!
PSC規格
PSCマークは簡単に言うと日本での販売を許された製品に付けるマークです。
PSCは「Product Safety of Consumer Products」の略で、日本語では「消費者活用製品の安全」と言います。
なので逆に言えばこのマークが無い製品は日本での販売が許されておらず、購入出来てしまう事がアウトと言えますね!転売なども同じですよ?
消費生活製品安全法という国が定める法律に基づいた規格であり、知らないけどなんかついていたなんて事は当たり前です。
経済産業省ページより…
消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生の防止を図る為、特定製品の製造及び販売を規制するとともに、特定保守製品の適切な保守を促進し、併せて製品事故に関する情報の収集及び提供等の措置を講じ、もって一般消費者の利益を保護することを目的としています。
対象となる消費生活用製品とは、一般消費の生活の用に供される製品をいいますが、船舶、消火器具等、食品、毒物・劇物、自動車・原動機付自転車などの道路運送車両、高圧ガス容器、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療器具など他の法令で個別に安全規制が図られている製品については、法令で除外しているものがあります。
つまりこの法律で指定されている製品に関してはPSCマークを取得していない場合は売れないよ!でも、それぞれに特殊な安全基準を設けている場合は例外もあるけどね!という事。
例外もあるという言葉はもしもの為の保険の口実では無く、実際に定められており第三者機関による検査が必要になってきます。
例外製品化そうじゃないかはPSCを囲っている形で判別が可能となります。参考画像右の丸で囲ってある方が”特定製品”であり、PSCにおいては普通の立ち位置。
販売を行う各事業者が基準に基づいて自主検査で技術きちゅんに適合している事を確認し、丸型のPSCマークを貼りつける事になっています。
参考画像左のひし形で囲ってある方が”特別特定製品(いわゆる例外)”であり、事業者の自主検査に加えて第三者による適合検査を経て販売の許可が下りるという内容になっています。
日本国内で日常的に使用する様々な製品についており、私達消費者はその製品を使用して生活をしているんですよ?
同様の他のマークとして電気製品が対象の「PSEマーク」、ガス製品が対象の「PSTGマーク」「PSLPGマーク」があります。
SG規格
SGマークは「Safe Goods」の略であり、日本語だと「安全な製品」です。
訳してしまうと他の仰々しいマークとは一風変わってかなりラフなイメージになってしまいますが、これがまた全然ラフじゃないんですよね。
だって、このマークが付いている製品の欠陥によって人身事故が起きた場合は被害者に対して最高1億円の損害賠償が支払われるなんて事があるから!
最高額が1億円なわけで程度によって違いはあるでしょうが、すごいですよね!
このSGマークは最初に紹介した「JISマーク」ととても良く似ていて、この安全規格は任意のものであり、付いていなくても日本での販売は可能となっています。
そして125cc以下のオートバイ乗車を想定したものと、排気量無制限の場合との2種類が用意されている点も似ている所です。
法律的に定められているものでは無いので、125cc以下を想定した方のSG規格をかぶって大型バイクに乗っていても逮捕されたりする事は無いのでその辺はご心配なく…
ですが、もしも何か事故が起こった時の場合の心配はした方が良いですね。
SG規格もJIS規格もそれぞれの想定の下の検査を行っているので、自分のバイクの排気量と規格の種類があっていた方が絶対に安心感は違います。
ここまでの3つの規格が日本で浸透していて馴染みのあるマークになります。
基本的に「PSC+JIS」だったり「PSC+SG」だったりとヘルメットを見てみると大体2つついていたりしませんか?
JISやSGは無くても良いですがPSCは絶対に無くてはならないものです!
そんなのあったっけ…って不安になったら確認だ!見るだけだからすぐすぐ!
基本貼りつけだから、シールはがしてたら無いかもだけどね…w
MFJ規格
MFJ規格は「Motorcycle Federation of Japan」の略であり、日本語だと「日本モーターサイクルスポーツ協会」となります。
競技者の安全を守るべく接地した安全規格であり、公道とは全く異なるハイスピードでスーパーなクラッシュが日常茶飯事なレースシーンでの使用が前提とされている規格です。
JIS規格のテスト基準に加えて、更に高度な耐貫通テストが用意されています。
その内容は…JIS規格では3kgのストライカを2mの高さから落下させるのに対して、MFJ規格では3kgのストライカを3mの高さから落下させるという事です。
世界で最も厳しいとされるSNELL規格を通過している場合は、MFJ規格のテストをパスしてそのまま公認シールを貼る事が出来ますよ!
Arai規格
知っていますか?「Arai規格」ってあるんですよ?
正式にある規格では無いのですが、世界トップの安全性能を誇るAraiヘルメットは製品に設けられた安全規格をクリアするのは当たり前!
現実で起こり得る規格試験を超えた衝撃からもライダーを守れる安全性能を追求しており、これがAraiのヘルメットは安全だという実績と信頼へと繋がっているのです。
そして、このArai規格がクリアしている安全規格の中には「JIS規格」はもちろんの事、世界で最も厳しいとされる「SNELL規格」なども含まれている為、更にそれの上を考えて安全を追求する…
という事がいかにライダー想いであり、しっかりと向き合っているという事がわかりますよね!
え、なにそれwそこまで安全性能にこだわってるの?知らなかった。
この安全性への熱意だけでもAraiヘルメットのファンになっちゃうよねw
と、ここまでが日本におけるヘルメットについての安全規格でした!いかがでしょうか?
色々とよくわからん事があると思いますけど、1つだけ確実に言える事がありますよ!「Araiヘルメットにしておけば安全性は間違い無い」これです。
という事で、次からは海外の安全規格の説明です!
SNELL(スネル)規格
「SNELL規格」は世界で最も厳しいと言われているアメリカの規格です。
つまりこのSNELLマークがあればそのヘルメットの安全性は世界最高峰だと思って良い!
でもSNELLマークがあってもPSCマークが無ければ買う事は出来ないけどね!
まぁそんな事はまずありえないけど…言ってる事は間違ってないね!
ピート・スネルというレーサーが由来の安全規格なのですが、1956年にレース中横転事故をした際、装着していたヘルメットが割れてそのまま死亡事故となりました。
その語スネルの友人達がスネル記念財団という非営利組織を作り、安全なヘルメットであるかと判断する規格を作った事がSNELL規格の起源です。
「最大可能な防護こそ、望ましい最終的なゴールである」という理念のもとに、耐貫通性に重きを置いたとても厳しい設定で有名な規格です。
レースシーンの死亡事故をきっかけに作られた規格なだけあって、かなり厳しく安全性へのこだわりが高い規格です。
日本規格のJIS以上の強い衝撃テストはもとより、そこから頭に伝わる衝撃の許容範囲もJIS規格よりも厳しく設定されています。
更に言えばテスト内容も5年毎と割と頻繁に更新されており、その基準は更新毎にグレードアップされており、技術の進歩と共にその基準も厳しくなっているのです!
【2020年のSNELL規格】
2020年の規格更新によって、新SNELL規格が設けられる事となりました。
「M2020D」と「M2020R」の2つのSNELL規格となった事が大きな更新点と言えるでしょう。
- M2020Dは北米と日本で使用する為のDOT規格及び、JIS規格を満たす可能性がある。
- M2020Rはヨーロッパで使用する為の、ECE 22-05も満たす可能性がある。
というニュアンスのSNELL規格です。
基本的に世界一厳しいとされるSNELL規格を持っている製品は、その他の国の規格なんてクリアできていると思ってしまいますが、やはりそれぞれの基準で検査をしてみないと分からないというのが本音。
DOTやJISなどの国によって設けられている安全規格はそれぞれの基準の下検査を行う必要があり、検査の実績が無い事には認められないのは当たり前。
その為、ニュアンス的には可能性があるという感じなんでしょうね!
DOT規格
DOT規格のアメリカの安全規格であり「Department of Transportation」の略であり、日本語だと「アメリカ合衆国運輸省」です。
日本で言うPSC規格みたいなアメリカ版規格だと思えば話は早いでしょう。
つまり、このDOT規格マークが付いていないとアメリカでの販売はできないという事になりますよ!
テスト内容は衝撃吸収で頭部を守る事に重きを置いており、日本メーカーの”Arai”と考え方が近い気がしますね!
ストライカテストでは2.75kgのストライカを3mの高さから落下させたりする内容は「SNELL」や「ECE」と似た内容となっています。
アメリカで販売するにあたっての最低基準であり、テスト内容もかなり充実しているので付いているだけで十分な安心感がありますね!
ただ、DOTマークがあってもPSCマークが無ければ日本での販売は出来ませんからね?
CE/ECE規格
ECE規格は「Economic Commission for Europe」の略であり、日本語では「欧州経済委員会」となります。
欧州経済委員会が規定している安全規格であり、ヨーロッパをはじめとする世界50か国以上で採用されている規格となっています。
MotoGPやスーパーバイク世界選手権などでも使用が認められている「ECE規格」であり、その細分化として私たちの日常に馴染んでいるのは「CE規格」になります。
クラッシャブルゾーン(衝撃吸収構造)構想を採用し、ライダー頭部へと加わる衝撃を緩和しようとするコンセプトをもとにテストがされる。
JIS規格でも採用されている構想ですが、この構想の弱点は1度目の衝撃緩和に対してはかなり強いが、同じ部分への2度目以降の衝撃に対しては内部保護性能がかなり下がるという点にあります。
一度転倒などした時のヘルメットは使わない方が良いってこれのことだったんだ…
そうそう!著しく保護性能が落ちたヘルメットは次も守ってくれるかはわからないからね…
2.87mの高さから落下させた際に、内部に伝わる衝撃が275Gである事が条件の衝撃テストはJIS規格よりも厳しい内容になってきますので、内容としては日本の任意試験よりも安心できるかも!
BSI/ACU規格
「BSI」「ACU」ともにイギリスで採用されている規格であり、日本市場ではほぼ見かける事のないレア規格です。
その為、資料自体も少なく、厳密な内容は不明…イギリスの安全規格という事だけ知っておけばOKでしょう!
バイクの安全規格マークまとめ
バイクの安全規格は色々あって覚えてられない!なんて気持ちすごく分かります。
なので簡単にまとめましょう!
- 日本ではPSCマークが無いと販売出来ない
- 日本ではJISやSGマークは無くても良い
- Arai規格は最強
- SNELLは世界で最も厳しい(Araiを除く中で)
- DOTはアメリカで必須
日本国内の人ならこれだけ覚えておけば良いでしょう。更に簡単にするなら「安全規格はArai最強」これに限ります!
とりあえずもしもの安全性能を第一に優先したい人はAraiのヘルメットを買っておけば間違い無いって事ですね!
最後におまけとしてSHOEIがJIS規格のテストを行っている動画を貼っておきます。
はい、という事で現場からは以上です!
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