雪が降るので冬にはバイクに乗れない地域、冬は寒いから気持ち的にバイクに乗りたくない。
そんな感じでライダーの状況によってバイクはそこそこ長い期間保管される場合がありますよね?振り返ってみて下さい。その期間はどれくらいでしょうか。
冬に限らず何かの事情でバイクに乗れない状況って割とありますが、多くの人が長い期間乗らなくなるのは冬かと思います。
1,2か月程度であればなんて事もありませんが、6か月やそれ以上になってくるとやっておいた方が良い整備と言うものが少なからずあります。
このページに来た人って
- 冬には全然バイクに乗らんなぁ…
- 最近全然バイクに乗って無いわ
- これから長い期間乗らなくなるかも。
こんな感じじゃないですか?もしそうだとしたら読んでみて頭の片隅にでも置いておいて欲しい内容だったりします。読んで動けたら一番良いですけどね!
と言う事でバイクに長い期間乗らない時にやっておいた方がよい事(整備・メンテナンス)について説明していきます。
良ければチェックシート代わりに使って下さいまし
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バイクに乗らない冬などの長期保管前にやりたい6つの違いが出る事!
まずは何をしておいた方が良いのか?という結論的な所から説明しておきます。
- タイヤの空気圧を適正にする。又はちょっと高めに入れておく
- ガソリンタンクは満タンにしておく
- バッテリーを外して充電(バッテリーも長期保管する感覚)
- 洗車をして各種注油を行う
- タイヤカバーを検討してみる
- バイクカバーをかぶせる
上記の事を一通りやっておけば最低限はOKかと。①から⑥までは流れで出来るようになっているのでイメージしてみて下さい。
整備初心者でも、不慣れな人でも30分~1時間程度で出来る事でありやるとやらないとではバイクの状態に結構な差が出てしまうので、長期保管する場合はやりましょう!
そして上記の事はあくまで最低限の事なので、もっとなんかやれたらいい事無いの?というバイク大好きマンには最後の方に初心者でも出来そうな整備のリンクページを置いておきますね
では上記の事を詳しく説明していきます。
1.タイヤの空気圧を適正にする。又はちょっと高めに入れておく
バイクに乗っていれば知らなかったとしても、その内知る事になる「タイヤの空気圧は走行しなくても減っていく」と言う事に関係します。
タイヤの空気は乗らなくても減るものであり、長期保管前には空気圧調整をするのが良いです。
タイヤの空気入れておく必要あるの?乗る時じゃダメなのかな、理由は?
理由は1つでタイヤへの負荷を考えてと言う事になります。
タイヤは消耗品であり、時間とともに劣化していくものでもあります。乗らない期間でも時間劣化が進みますが、それを少しでも緩やかにしようという対策なのです。
- 地面と接地している面がその分負荷がかかり劣化の促進の原因となる
- 乗り出し時に空気圧が割と低い状態でのタイヤは負荷がかかりやすい
こんな事を出来る限り抑えてあげましょうという整備ですね。
時間での劣化(経年劣化)は風化とも言い、これは物質であれば自然なものですが地面と接地している面はバイクの自重の圧と、地面の温度変化などで接地していない面より余計に劣化していきます。
空気圧を適正、又は高めにする事によって適度な接地面にし、空気圧が減ってきてもそんなに接地面が増える事が無いようにする事が出来ます。
長期保管が終了して、また乗り出す時にはバイクの重さによってタイヤの形が変わった状態から元に戻る働きをする際にも負荷がかかります。
空気圧がかなり減った状態になると、変形する箇所も大きくなるので負荷がかかる箇所も大きくなってしまう。それを防ぐ為にも適正、又はちょっと多めに設定しておくと良いのです。
出来る事なら、1週間に1度くらいのペースで接地面をかえてあげると1箇所にかかる負荷が少なくて済みます。
センタースタンド付きだったりメンテナンススタンドを持っていれば、リアタイヤの負荷が激減するのでおすすめ。
2.ガソリンタンクは満タンにしておく
ガソリンタンクは満タンにしておきましょう。
長期保管の準備でガソリン満タンなの!?大丈夫?乗らないけど…
もう1度言います、ガソリンは満タンにしておきましょう。これを怠ると最悪の場合何万円もかけてタンク交換をする事になりかねません。
ガソリンタンクの多くは鉄で出来ていると言えば察しの良い方は分かると思いますが、錆びるんですよね。
ガソリンが入っていない空間に温度差による結露が発生し、その水分がタンクを内側から錆びさせていきます。
内側の錆びなので外観からは判断が付かず、結構錆びさせているライダーも多いのです。
その錆は悪さしかしなくて「ガソリンからエンジンまでの通路を詰まらせる」「タンクに穴をあける」なんて事を起こします。最悪ですよね?
ガソリンの通路は細く、錆の欠片なんかでも詰まりますし錆びたタンクは錆がひろがって穴があくなんて事があります。
燃料系の部品にとって錆は天敵と言っても過言ではありません。ガソリンは満タンにしてから保管しましょう!いいですね?
鉄では無く、樹脂のタンクを搭載のバイクもありますがタンクキャップが鉄製なんて事はよくある話であり、結露による錆びはキャップも例外ではありません。
四の五の言わずにガソリンは満タンで保管!いいですね?
キャブ車の場合は燃料コックの操作も忘れずに!
最近のバイクの多くはFI(フューエルインジェクション)車ばかりですが、ひと昔前のバイクだとキャブレターという燃料供給機構が搭載されています。
FIの場合は、キャブが無くてキャブの場合は、FIが無いんだね!
簡単な違いとして、FI車は燃料(ガソリン)供給がコンピュータ(電子)制御式であり、キャブレター車は機械式。
キャブレター車に乗っている人は燃料コックの操作を忘れずに行いましょう!
引用:https://www.tandem-style.com/beginner/how-to-winter-sleep/
▲ON、OFF、RESの場合はOFFにしておきましょう。
引用:https://www.tandem-style.com/beginner/how-to-winter-sleep/
▲ON、RES、PRIの場合はONのままでOKです!
燃料コックの操作をしておかないと最悪の場合ガソリン漏れを起こして、バイクの下がガソリン溜まりになる事も…
キャブ車の場合はドレンボルトからのガス抜きもお忘れなく!
キャブ車の場合はドレンボルトを緩めて、キャブレターからガソリンを抜いておく事も忘れてはいけません。
キャブ車ばっかりやる事多いね…
ガソリンは長期放置すると腐り、ガソリンの通り道を塞ぎます。更に強烈な臭いを出して最悪です。
FI車はガソリン供給のラインが密閉されているのでこのような管理が不要とされており、こんな感じでキャブ車はFI車に比べて自分でやるべき事が多いのでバイク初心者には向かないと言われているのです。
キャブレターからガソリンを抜かないでおくと、ガソリンが詰まって、また乗ろうという時に動かなくなりますよ?ガス抜きも忘れないように!
引用:https://www.tandem-style.com/beginner/how-to-winter-sleep/
▲キャブレターの下部には画像のようなドレン(突起部)があります。これに向かって横に刺さっているボルトを緩めてあげればガソリンが出てきます。
ガソリンが出てこなくなった、又は滴る程度になったらボルトを締めて終了という手順がガス抜きです。
ガス抜きは燃料コックの操作を正しくした後に行いましょう!じゃないと、ガソリンが延々と出てくる羽目になりますよ。
ガソリンがキャブ下に落ちるので、下にウェス(布)などを置いておきましょう。
ボルトは完全に抜く必要は無く、ガソリンが出てくるまで緩めるだけでOK。
3.バッテリーを外して充電(バッテリーも保管の感覚で)
普段何気なく使うスマホやモバイルバッテリーは、寝る時や使わない時って充電しますよね?あれと同じ感覚です。
違うのは筐体(電源を使う本体)からバッテリーを外す必要があるという点くらいでしょうか。
スマホは使った分電気を消費しますが、バイクは乗っていれば消費するのはガソリンであり、バッテリーは充電されます。
なので忘れがちになるのですが、バイクのバッテリーも充電が必要なのです。
スマホも基本的に電源を切っていなければバッテリーは減りますし、電源を切っていてもバッテリー電力って少しずつ減りますよね?あれと同じです。
と言う事でバッテリーを外してしっかりと充電しておいてあげましょう!
バッテリーを外して充電はしないまでも、バッテリーのマイナス端子を外しておくだけでも、消費抑える事が出来るので最低限ここまではやりましょう!
4.洗車をして、各種注油を行う
洗車をして色々な汚れを落としておきましょう!しっかりと落としておかないとバイクの劣化を促進しますよ?
バイクの汚れが劣化を促進するの?汚れているだけだよ?
バイクの汚れと言うのは色々ありますが、どれもバイクの各種パーツの劣化を進める可能性を十分に含んでいるのです。
- 金属
- 樹脂
- ゴム
- 真鍮
などとバイク1台には色々な素材を使用されており、その中でもゴム部品の劣化は外部からの影響を受けやすいものです。
外部からの影響と言うのは砂や雨などの見えやすいゴミや、空気の温度変化という見えにくいものまであります。
温度変化は防ぐのは難しいですが、ゴミに対しては洗車と注油である程度対策する事が出来ます。
更にこのゴム部品と言うのは「オイル、空気、ガソリン」などと言った液体や気体の漏れを防ぐ役割をしており、劣化しすぎると分かりやすい漏れという不具合へと繋がります。
バイクに付く汚れやゴミは砂埃や石、雨というものがありこれを綺麗に落としておく事で保管状態から再び乗り出す時の負荷を軽減する事が出来ます。と言う事1~3が終わったら洗車をしてバイクを綺麗にしましょう!
洗車によってバイクを綺麗にして、乾かしたところで各種の注油を行いましょう。
洗車で綺麗にしたのに油を付けるってどうなの?汚くするって事…?バカなの?
バカではありません…注油と言うのは各種パーツの動きをよくすると共に、ゴミや空気による外部からの攻撃を防ぐコーティングの役割を持っているんです。
劣化しやすいゴム部品や、錆に困る鉄部品に関してはかなり有効な手段と言えます。
- ドライブチェーン
- ステップなどの可動部
- フロントフォークのシール(ゴム部品)
上記のような所への注油を行えれば良いですね。
チェーンに関してはバイク乗りでもよく知られている注油パーツですが、それ以外は同でしょう?バイクには割とたくさんの可動部が存在しています。ここに対しての注油もしておくと良いですね。
フロントフォークのシールと言うのは、フロントフォーク(Frタイヤに伸びている2本の棒)にはシールというゴム部品が付いています。
画像赤枠の部分にゴム部品が使われています。フロントフォークには他にももう一つ同じわっか状のシールが使用されていますが、内部パーツとなり分解しなければ触る事が出来ないので赤枠の物だけでOK!
この見えているシールはダストシールと言われる中にゴミが入らないようにするものですが、これを下手に取ろうとするとシールやインナーチューブ(銀色の棒)を傷つけてしまう可能性があるので無理に外そうとしなくて良いです。
外さないなら注油なんて出来ないんじゃないの?
ポイントは吹き付けてからストロークすれば良いという点!とりあえず、ダストシールとインナーチューブの境目当たりに吹き付けて、それからストロークさせればOKです。
画像の説明位置のようにダストシールとインナーチューブの境目(ダストシールの内側)に吹き付けて、ストロークをする事で馴染ませる事が出来ます。
ストロークとはフロントフォークを縮ませたり、伸ばしたりする事でフロントブレーキを握りながら、ハンドルを上下にグイグイすれば良いですね!
フロントフォーク、特にインナーチューブは小さな傷が致命的となるパーツです。しっかりと洗車し、砂や小石などを落としたのを確認してから注油をすると良いです。
注油をし、ストロークし終わったらインナーチューブに残った油はしっかりとふき取りましょう。ブレーキ関連部まで垂れてきたらブレーキ作動を阻害する可能性があります。
各種注油ってそれぞれケミカル(注油剤)を使い分けなきゃいけないの?
どこに注油をするか?で、ケミカルを分けれるのが一番良いです。
- 熱変化が起こりにくい
- 圧力に強い
- 粘度が高くドロドロしてる
- 粘度が低くサラサラしている
- 密閉性が高い
などのように、それぞれに特化した性質があるからです。
でも、整備の経験が無かったり浅いと分かりませんよね?そんな場合はシリコンスプレーがおすすめ!
シリコンスプレー(溶剤無添加)の物であれば多くのパーツに対して無害であり、潤滑効果やコーティング効果を持っているので1つ持っておくと注油が楽です。
石油系溶剤などが入っているシリコンスプレーもありますが、無溶剤のシリコンスプレーにして下さい。無溶剤であればゴム系部品なども傷めませんが、溶剤が添加されていると傷めます。
シリコンスプレーはバイクだけでは無く、家具や文具などのコーティングや清掃にも使えるので本当に1本持っておけばなんでも使える便利な代物なのです!
各種注油にシリコンスプレーはおすすめですが、チェーンに関してはチェーンルブという専用ケミカルを使用しましょう。
潤滑効果も十分にあるので、タイヤやブレーキ部などの滑って困る部分への使用はしないように!迷惑防止の為、路面などもNGですよ?
5.タイヤカバーを検討してみる
タイヤカバーはあったら良い程度に思っておけばOKです。ほとんどのライダーは持っていません。
タイヤもゴム部品であり劣化しやすく、温度変化などの外部環境による劣化も大きいです。
タイヤカバーは別名タイヤウォーマーと呼ばれるものであり、本来の目的としてはタイヤを冷やし過ぎないようにし、バイク始動直後からグリップ力を得るという目的があります。
レースシーンなどでも使用されているよね!
ただ、冬などの冷え込みが激しい季節から、春夏と暖かくなる季節への変化でタイヤが温度変化により硬くなったり柔らかくなったりします。これもタイヤにとっては負担になるのです。
タイヤカバー(ウォーマー)はこれを緩和するのにも役に立つのです。
タイヤカバー(ウォーマー)は電源を取って本当に温められるものも存在しますが、そこまでガチで無くて良いです。保護目的ならタイヤを覆う電源無しの物で良いですよ!
タイヤカバーは基本的にメンテナンススタンドとセットでの使用なので、メンテナンススタンドを持っていない、買う予定が無い人はスルーでもOK。
6.バイクカバーをかぶせる
バイクカバーは必須だと思って下さい。冬じゃなくてもかぶせましょう!
バイクの各パーツは車とは違い、ボディに覆われておらず外部の攻撃なんでも来い!状態なので乗らない時にバイクカバーをかぶせないと劣化が爆速ですよ?
- 雨や雪
- ゴミ
- 風
- いたずら
- 窃盗犯に目を付けられる
これらの事から守ってくれるのがバイクカバーです。
安いものなら2,000円台から購入する事が出来て、各攻撃からバイクを保護してくれると考えれば破格かと思いますが?バイクを持っていてカバーをしていない人は最低だと思って下さい。
車庫やガレージを所有しており、そこではバイクカバーをしないという人は例外です。
ただ、車庫やガレージ内でも砂や埃は舞うのでそんな場合でもバイクカバーをしておいた方が実は良いんですよ?
ここまでの流れ1~5をやってきて、最後にバイクカバーをかけて終了なのですが、バイクカバーをかける時は洗車の水を乾かしてからにしましょうね!
じゃないと鉄パーツへの錆びを生む事になりますので、しっかりと乾かしてからにしましょう!
バイクカバー内の換気を定期的に行おう
土日に乗って、また次の土日まで乗らないとかそんなレベルなら良いですが、数か月という長期バイクに乗らない場合は定期的なカバー内換気を行いましょう。
換気と言うよりは乾燥ですが「梅雨時期や冬の時期」は、地面の水分が蒸発する際にバイクカバー内にこもる事がよくあります。
洗車水を乾かさないでカバーをかけたら錆びる原因になると同じ事であり、定期的にバイクカバーを剥いで日光浴をさせるような感覚で乾燥させてあげると良いですね!
カバーをしているから長期間何もしなくて良いわけでは無く、しっかりと管理をしてあげる必要があるのですよ?
まとめ:これらは最低限の事なので、バイクが大切ならやるべき!
今回説明した6つ…タイヤカバーは出来ればなので5つの事ですが、バイクを大切にしたいと思っているなら必ずやって下さい。
- タイヤの空気圧を適正にする。又はちょっと高めに入れておく
- ガソリンタンクは満タンにしておく
- バッテリーを外して充電(バッテリーも長期保管する感覚)
- 洗車をして各種注油を行う
- タイヤカバーを検討してみる
- バイクカバーをかぶせる
あくまで最低限やるべき事なので、もっとやりたい人はもっとやってOKです。
が、この5つをやるやらないではバイクの持ちが違います。各パーツを良い状態で保管する事は再び乗る時の不具合を限りなく0にしますよ?
エンジンがかからない、何かが漏れている、動きが悪い、タイヤのひび割れ…などなどパーツの劣化や管理不足による久しぶりに乗ろうとした時不具合って結構あります。
説明した5つ(6つ)は最低限の事ですが、この最低限すらできていないバイク乗りも多い…つまりこれをやるようになればその多くのバイク乗りよりも優秀と言う事でもあります。
自分のバイクを大切に、出費を少しでも抑えたいならやっておいた方が良いのです!
という事で、現場(@su_ba_ru)からは以上です!
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